 |
教育部では、月に一度開催する幹部教室を通じて、執行委員のレベルアップに力を入れています。今月のテーマは「唯物論」です。
|
唯物的な弁証法の学習を! |
|
自然・社会・精神の世界全体を貫く、関連・運動・発展の法則を読み解く科学を弁証法と呼ぶ。人間は、自覚しなくても弁証法的な考え方をしている。そして唯物論は弁証法を学ぶ上で必要な考え方である。 |
講義を聞く組合員 |
資本主義は変革する
対立した2つの考え
この資本主義社会が永遠に続くと考えていないだろうか?
資本主義の前には封建制が存在し、その前は奴隷制だった。つまり、資本主義も永遠不滅ではなく、変化していくのである。
物事の始まりを考えると、宇宙の起源はビックバンである。ではその前はどう考えるかについて、「唯物論」と「観念論」という対立した2つの考え方がある。
現在認識できる限界
自然を超える超存在
唯物的には1点が存在していたと考え(現在認識できる限界)、観念的には精神的な存在を認める(自然を超える超存在、宗教的には神)。
唯物論では物質こそ根本的な永続的な存在であって、精神と呼ばれるものは生物の発生以後初めて現れた存在であり、物質の一定のあり方において生みだされたものとする世界観をもつ。
観念論とは、精神こそが根本的な永続的な存在であって、物質と呼ばれるものはその産物であるとする世界観である。
心霊などは認めない
唯物的な弁証法を!
社会変革を目指す私たち労働者階級は、心霊などと呼ばれるものは認めない唯物的な弁証法を学習していく。
人間は意思を持って目的実現のために外界に働きかける唯一の生物である。歴史を見る場合、この意思がどう作られ規定されているのかを明らかにすることが重要になる。意識を規定するのは、人間の社会的存在(経済的下部構造と法政的上部構造)とされる。
物質的運動による下部構造が先にあり、これを反映して上部構造である法律や政治が存在するのであって、その逆ではない。
資本家が富を独占し
労働者が搾取される
資本主義の中での意識とは、1%の資本家が富を独占し、生産する主体たる労働者は自分たちが作った富であると認識させられないまま、搾取されている認識すらもたされない。
さらに今の日本の賃金体系は、女性が男性の6割の賃金しかない。認めがたいが、資本制生産過程によって我々の意識が規定されるために、それが当たり前になっている。
つまり、下部構造の変革なくして上部構造の変革はありえない。
新たな世界に移行?
確信を持って運動を
資本主義の生産過程の限界、矛盾が発生すると新たな世界に移行するのではないか。
しかし、じっと待っていても自然に移行するわけではない。資本主義的な様式を乗り越えていくために弁証法を学び、社会発展の科学的根拠に確信をもって運動することが必要だ。
|